火災発生の責任について(失火責任法)

江戸時代から都市化が進んだ結果、江戸・大阪でも度々大火が発生しました。大火による事件が歌舞伎(八百屋お七)などにも演じられています。日本は木造住宅が多く何らかの過失で火元住戸以外に延焼することが多々あり、火元がとくに重過失がなければ、延焼で被害を受けた方に対して損害賠償義務を免除するというのが失火責任法です。自己の住戸も火災で焼失しているのに延焼で家をなくされた方の賠償させることは不可能との考え方からです。この法律は明治32年に制定されました。ではマンションなどで火災が発生した場合どのような状況になるでしょうか。マンションは優れた耐火建物で且つ玄関扉は室内の火災を食い止めるため、鉄板でできた扉が設置されており、ベランダ側もパーテーションで区切られていますので、横に火災が広がりにくい構造です。しかし、火災が発生すると消防車による放水で火元住戸の階下住戸に放水による被害を与えます。この被害については、被害を受けた住戸の自己が加入している火災保険で保険金が受け取ることができます。火元住戸も同様です。火元住戸の火災保険にお見舞い費用が付いているはずなので、被害を受けた住戸は火元住戸の火災保険から20万円程の見舞金が受け取ることはできます。